彼女の。

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地下鉄に乗っていると、前に二人のきれいめのカップルが座っている。

わりと好印象な感じの。なんか目を引くものがある。

それでも別段、気にすることもなく文庫本を読み始める。

二、三行つらつらと読んでるうちに、

「はて?どっかで見たような?」とまた彼らを見る。

いや、男子の方をよく見たい。

瞳がみずみずしい感じの。あれ?なんだっけ?誰だっけ?

しばらく考えて、(えっ?もしかして?いやちがうよ。だって女子だから。あの子は。)

よく似た男子だろう。

また本に目を戻そうとすると、彼らの声が聞こえて来た。

「・・うん・・まだ間に合うかね?」・・

この声。やっぱりA子じゃないか?

前に座ってる彼らをまじまじと見る訳にいかないから、本見ながら、さりげなく見る感じ。



10代の頃、ソフトボール部のA子はボーイッシュで素敵な子だった。

強い瞳に、肌も焼けていて、スポーツ万能。後輩からも人気者だった。

横目で見ながら、私とは全く別な世界にいるなあと思っていたなあ。

いつだったかA子は初めての恋をした。

恋をすると、女子は変わるというけれど、それに応えるかのように、

彼女はとても女の子で、彼にお弁当をつくったり、部活が終るまで待っていたりと

真剣そのもの。その後、彼に別に好きな人ができて、彼女はそれを知らされないまま、

距離を取ってくる彼に戸惑う日々を過ごす。信じ続けたA子はやがて事実を知るように

なると、周囲が見てはいられないほど落胆した。

卒業の頃には、なんとなく以前の輝きのようなものが薄れていった感じがした。

遠い、遠い、お話です。



・・・たぶん前に座ってる彼は、あの時のA子だなあ。

どういう流れで今があるのか、いろいろありそうだけど、

それぞれ抱えてるホントのことなんて、他人からはわからない。

こちらもまっすぐ生きてる訳じゃないし。今が楽しければいい。

瞳が昔のように美しくて、

笑いあって手をつなげる人がいて、

「おはよう」「おやすみなさい」とか、さりげなく交わす相手がいる。

いいじゃないの。



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後ろ姿。トトロっぽい。

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ブログ。がっつり書いたあ。ヘトヘトなのになあ。